世界が認めた日本のサービス ― ANAの受賞と“ジャパンクオリティ”の再発見
ANAが世界最高評価を受賞
先日、ANAグループが英国SKYTRAX社による「World Airline Awards」において、2つの部門で世界最高評価を受けたというニュースがありました。
- World’s Best Airport Services(世界最高の空港サービス):12回目の受賞
- Best Airline Staff in Asia(アジアで最も優れたスタッフサービス):10回目の受賞
このような輝かしい実績を耳にして、「さすがANA」と大きくうなずいてしまいました。というのも、私自身も先日、東京・大阪間の往復でANAを利用したばかり。そのときの体験がまさに世界トップレベルだったのです。
丁寧さの中に込められた心遣い
機内での時間、何気ない瞬間に気づくサービスの質の高さ。CAさんの所作や言葉遣い、目配り・気配りには、ただの丁寧を超えた心のこもったホスピタリティを感じました。何一つとして不快に思うことがなく、むしろ気持ちが整えられるような感覚にすらなったのです。
このクオリティは、まさに“Japan Quality”そのものだと改めて実感しました。
海外に行くと気づく、日本の素晴らしさ
よく「海外に行くと、日本のサービスの質の高さに気づく」と言われますが、これは本当にその通りです。私も過去に何度か海外を訪れた際、日本に戻るたびに「やっぱり日本ってすごい」と感動したものです。
もちろん、海外にも素晴らしい接客やサービスはあります。ただ、日本のように「ここまで気づく?」「ここまでやってくれるの?」という細部にわたる配慮や、無意識の気遣いが当たり前として根付いている国は、他にないのではないでしょうか。
なぜ日本のサービスはここまで行き届いているのか?
私はこれまで長年、接客業に携わってきました。百貨店のコスメカウンターやエステサロンで、多くのお客様と向き合ってきた中で、常に叩き込まれてきたのは「お客様第一」「顧客満足度が最優先」という考え方でした。
たとえば、百貨店ではお出迎えからお見送りに至るまで、表情、言葉遣い、おじぎの角度に至るまで徹底した教育があります。接客にしても、お客様第一優先でお待たせしないこと、たとえお店が閉店する時間でも最後まで心のこもった対応をすること、それが当然とされる世界でした。でもこの「当たり前」こそが、実は世界的に見れば非常に特別なのだと思います。
当たり前すぎて見えなくなる価値
私たち日本人は、あまりに自然に高品質なサービスに囲まれているため、その素晴らしさを忘れがちです。日本国内にいると、それが普通に感じられてしまう。
でも今こそ、自国のサービス文化にもっと誇りを持つべきだと感じます。海外の文化を取り入れることももちろん大切ですが、むしろ世界が真似したくなるような、日本ならではの心遣いやマナーを、私たちは受け継ぎ、次の世代にも伝えていくべきなのではないでしょうか。
“ジャパンクオリティ”を未来へ
ANAの受賞は、単に企業の実績としてだけでなく、日本人の「おもてなし精神」が世界で評価されている証でもあります。
私たち一人ひとりがこの“日本らしさ”を大切にし続けることで、これからも日本のサービスは進化し続けるはずです。
忘れかけていた日本の美徳を、今一度思い出すきっかけとなったANAでの旅。これからも“Japan Quality”を胸に、日々の接客に誇りを持っていきたいと感じました。
コメント